付録 C
既存理論との対応
本稿の構成要素のうち、既存の理論に対応があるものを明示する。 本稿固有の寄与は下段に限られる。
本稿は三層に分かれる。 第一層は の各項を説明する既存理論であり、土台として導入する。 第二層はそれらを同一の枠組みに接続する部分であり、本稿の寄与にあたる。 第三層は本稿固有の整理である。
第一層:各項を説明する既存理論
| 項 | 理論 |
分野 |
| 企業間 | 企業金融 | |
| 企業間 | 企業金融 | |
| 対消費者 | 消費者行動 | |
| bonding argument [1] |
労働経済学 | |
| 公開実績の蓄積 | 労働市場シグナリング [16] |
情報の経済学 |
これらは互いを参照しない(注3.3)。
第二層:接続としての寄与
| 接続 | 内容 |
| による統合 | 四分野の対象が式(3.8)の同一の和に入る |
| による水準の説明 | |
| の類型論 | 第II部。契約形態の分類は既存理論が持たない |
| の三分解 | 式(6.1)。源泉別の耐久性 |
第三層:既存理論との個別の対応
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本稿の内容 |
対応する既存理論 |
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契約の可測性条件(第4章) |
契約理論、情報性原理 [17] |
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リスク・インセンティブ・トレードオフの実証的困難(第15.3.5.0節) |
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の測定(第14.6.1節) |
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の切り替え費用と待機の価値(注2.18) |
不可逆投資とリアルオプション [8] |
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集約が相関を生む機構(注2.11) |
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時間展望による目標の変化(第8.6.4節) |
社会情動的選択性理論 [3] |
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成果連動の最適強度(例4.5) |
線形契約とマルチタスク [18] |
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式(5.6) の |
自己金融可能成長率 [4]。配当性向と負債比率を固定する Higgins 系の持続可能成長率とは別系統 |
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式(3.9)() |
財務分析の標準的な恒等式。現金 = 自己資本 正味営業資産 |
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過大取引(overtrading)の形式化。運転資本が純資産で抑えられる構造は [33] と同型 |
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命題6.6(認知余剰の現金中立性) |
収益認識における契約負債からの振替。会計上の標準的な扱い |
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命題5.21(尖頭と平均の差) |
実務でいう資金需要のピーク。運転資本管理の標準的な論点 |
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系5.19( の非加法性) |
比の集計一般の性質。式(16.5)のシフト・シェア分解はその差分形 |
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合流点条件づけ(命題A.1) |
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式(12.2) の識別不能性 |
Age–Period–Cohort 問題 [22] |
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式(2.11) |
分散のプーリング。保険数理の標準的結果 |
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割引因子の異質性(命題4.10) |
時間選好、双曲割引 [21] |
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自動化とリスク・不確実性の区別(第9章) |
[20] |
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組織が可測性を吸収すること(第8.7節) |
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支払者と受益者の分離(族7) |
両面市場 [26] |
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命題A.15(資本と信用の代替) |
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信用のブートストラップ問題(第8.5節) |
同上。純資産の低い主体ほど制約が強いという結果に対応 |
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手続きによる契約空間の拡大(第10章の前提(1)(2)) |
分散合意と契約可能性 [31] |
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識別子と主体の乖離(第10.3節) |
Sybil 攻撃 [32] |
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系10.11(資産を持たない主体の排除) |
担保要求と金融包摂の限界 [34] |
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注10.4(区分「外」における仲介) |
外部状態の取り込みとその検証可能性 [35] |
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命題10.6(受益者の同定) |
識別子の自由な生成と false-name-proofness [38] |
接続すべきだが接続していない理論 |
対応する既存理論 |
と の同時決定(第19.4.1節) |
メカニズムデザイン、自己選択と数量割引 |
契約の選別効果(同上) |
契約理論のうち逆選択を扱う部分 |
DSO と DPO の同時決定(同上) |
取引信用(trade credit)の理論 |
規模と紹介の質の関係(第15.3.5.0節) |
労働市場の仲介と適合の質 |